住まいの情報

第二の人生の選択

 人生にはターニングポイントがいくつかあるが、子育てが終わった50歳代の選択も大きな変化がある。無論、子供のいない世帯も単身世帯も含めて、50の坂は成長一本槍の進路ではないだけに、含みのある選択肢の多様な個性的な人生進路が選択できる。そんな人生のバリエーションを考えてみた。

50代の選択


  • 家を売って都心に出る  子育てが終わり、空き部屋のある郊外の戸建て住宅を売却して都心のマンションに移転する。安くなった中古マンションでも、震災を考慮して特定優良賃貸住宅でも良いのだが、職住近接や都心居住の便利さを享受するために移住する。

  • 二世帯同居で新築、改築する  敷地が広ければ隣居、狭ければ二世帯住宅を建設する。20年以上50年までも視野に入れた将来的な利用が可能な住宅供給である。子が2千万、親が1千万を負担すれば3千万の資金ができる。二世帯同居の建物をつくるのには十分である。

  • 田舎生活で晴耕雨読  通勤や通学の制約がなくなったら田舎生活が可能になる。情報は通信でリアルタイムの環境が確保できる状況下で、何も好き好んで郊外住宅に固執する必要はない。耕作と趣味の生活はこのうえない贅沢である。

  • 海外移住  日本での財産を元手に海外の生活を楽しむ選択がある。オーストラリア、スペインなどの国での居住を国家的に支援したこともあった。とはいえ、病気に対する対策や言葉の問題などをそれなりに解決すれば、海外での生活が豊かさを与えてくれることになる。残念ながら現状の日本の都市では得られない魅力が海外にあるのである。

  • 住宅改造による心機一転  生活を豊かにする方法として、住居の改善は最も手っ取り早い手段である。建て増しや改築を通して、自らの身体に合った住まいにする。年齢を重ね、身体の衰えを感じ始めると、住まいの不備が気になり始め、手を入れたいと思うようになるのは必然的な結果である。

  • 夫婦別居で青春奪取  子育てを続けている間は、夫婦が同居することは、家庭の平和にとって貴重な利益であったのだが、子育てが終わり、子離れした段階では夫婦のここの生活の大切さが顕在化する。特に共働き世帯や趣味の異なる世帯では、共に生きる意味が失われている時期でもあり、夫婦別居が第二の人生の始まりになる。

  • 気のあった仲間と住む  職場を通してコミュニティを形成する場合や趣味を通しての場合など、多様なグループが存在する。家族もその一つではあるが、居住単位となると、それらのどの単位であっても成立する。気のあった家族同士で集まって住むのもよし、夫婦別居で女同士のグループも可。むろんホモグループも宗教グループも可能であり、自由な選択が出来る。


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