最新情報

 このページは公的住宅に限らず、まちづくりや都市計画全般に渡って、新聞やインターネットを通じて得た最新のニュースを提供して行きたいと思っております。なお、情報の提供やご意見・ご要望などはwebmaster@akimoto.comまでお願いいたします。

最新(2001年冬以降)のニュース&コラムはこちらにあります。
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2000年4月11日

■「こだわりの福祉マンション」(2000.4.11 日経(夕刊))

 「住民・企業 二人三脚で/入居者が設計提案/24時間態勢で介護」という大変な事業を参加型マンションを運営している組織があります。健常者から要介護者まで幅広い受け入れを前提に、複数の民間企業がタイアップして運営している福祉マンションです。昨年12月から入居が始まったのだそうで、まだ1/3程の18室に空きがあるそうで、開発リスクを誰かが背負っている様子。こんな動きは望ましいので、公的な支援も望まれる所です。

 

2000年3月28日

■「介護保険 導入直前 (本社世論調査)」(2000.3.28 朝日)

 「不信感 助成に目立つ」4月1日からの介護保険導入に際して、報道が盛んに行われています。いずれも、予測や不安に起因する広報活動的な要素が強い報道です。安心した老後が過ごせるのかは、今回の制度を運用して以降の話で、必然的に改良すべきことが出てくると思います。

4月1日からの実施状況を観察することが大切のようです。

 

2000年3月24日

■「都心回帰くっきり 工場跡にマンション続々」(2000.3.24 朝日)

 「公示価格発表」で明らかになったというニュースですが、すでに湾岸の大規模工場の廃止に伴って再開発が動き始めており、こうした土地を住宅地に改変するプロジェクトが進んでいます。イギリスの造船ドックの集まったエリアを国家事業で再開発して、住宅地と公園、そして業務地に再生したドッグランドの例のように、世界は産業構造の大変化の中で、産業志向のまちづくりから居住中心のまちづくりへ大きく方向転換しています。都心回帰はその現れで、やがてイギリスの都市間比較で言われる「ホットスポット」と「コールドスポット」が日本でも出現すると思われます。あなたの街は大丈夫ですか?

 

2000年3月18日

■「世帯主65歳以上「高齢世帯」20年後 全国で30パーセント超」(2000.3.18 日経)

 「厚生省推計・大都市でも急増」と、昨日の首都圏版を受けての全国版です。とりわけ驚く数字でもないのですが、地域差も大きく住宅整備を考える上では欠かせない条件であることは確かで、より地域にあった住まいのあり方を検討することが必要になります。

 

2000年3月17日

■「都内老年人口 前年比3.7パーセント増(1月1日現在)」(2000.3.17 日経)

 老齢人口が年に3.7パーセント増加すると、5年間で18パーセント、10年間で37パーセント増えることになります。2000年1月1日の老年人口は182万3千人ですから、年々、7000人近くが増えることになります。こうした高齢者の住宅支援を考えると、都の高齢者向け優良賃貸住宅施策で毎年、150戸から200戸の高齢者住宅整備のスピードは焼け石に水のような感もします。

 もちろん、やらないよりは良いのですが・・・。

 

2000年3月14日

■「空き家10年 布団に遺体」(2000.3.14 朝日)

 孤独死が増えている現状の中で、大都市のアパートに取り残されていた遺体が発見されたというニュース。「都会の死角 老いの孤独」「立川の密集地解体中に発見」「市気づかず住民票抹消」というタイトルはセンセーショナルであることを表しています。いま、賃貸住宅に居住する単身高齢者の30パーセントが身よりのない人です。とりわけ近所づきあいのない都会ではこうした悲劇が生まれやすい構造になっています。民生委員の自主的な活動に依存するだけではなく、住民票からの定期的な安否確認も必要な時代かもしれません。

 

2000年3月12日

■「高齢者の後見相次ぎ名乗り」(2000.3.12 朝日)

 「青年後見人制度」が4月から始まるのに際して、司法書士、弁護士、社会福祉士などの団体が業務拡大の思惑も絡んで後見人候補に名乗りを上げています。

 多様な思惑はあるにせよ、核家族化した高齢者世帯に後見人は欠かせないわけで、公正な後見人の選択と監視体制を含む運用が望まれます。

 

2000年3月8日

■「住宅の質、選別しやすく・数値基準導入の新法施行へ」(2000.3.8 日経)

 「住宅品質確保促進法」が4月1日施行されるに際しての報道です。欠陥住宅問題がクローズアップされた中で、長期の瑕疵保証などの義務づけやそれをバックアップする評価システムや保証機関の設立など、多様なバックアップ体制が検討されています。

 しかし、本来、戸建て住宅などは地域の工務店が建設している地場産業型の住宅供給であれば逃げられない関係が成り立っていたのですが、メーカー系の住宅や産地直送の住宅など地域以外の事業者が入ってきて、地域の実情を知らないで施行した結果、話題の欠陥住宅などが登場したという経緯を考えると、必ずしも新しい法律が望ましいのではないような気がしてきます。

 

2000年3月2日

■「都、建設費や家賃助成(高齢者向け賃貸住宅整備促進)」(2000.3.2 日経首都圏)

 高齢者向け優良賃貸住宅制度を活用した高齢者向け賃貸住宅の整備が始まっています。平成10年度から制度化された予算措置で、ようやく5箇所120戸が事業化にこぎ着けたという。来年度からは年間150から200戸のペースで整備する方針としていますが、区市町村とも協力しての推進となると、財政事情の悪化に見回れている地方財政状況の中ではどのように進むのか、心配です。しかし、年間200戸足らずの供給では、とても高齢者の住宅事情に対応できないのでは無いでしょうか。

 

2000年2月27日

■「PFI推進へ第三者機関」(2000.2.27 日経)

 「公共事業 民間委託で運用基準案」「事業者選定など・調査や苦情処理」PFI推進法の運用に対する基準作りが進んでいます。制度の考え方はイギリスなどの先進諸国に習うとしても、実際の運用については国としての指針が欲しいという日本的な状況の中で進められてきた運用基準です。地方も国も財政事情の悪化で市民差へビスに対する事業化は難しい状況が続いています。そなんなかでの誘発剤になると良いのですが・・・。

 

2000年2月18日

■「地方交付税にほころび」(2000.2.18 日経)

 地方交付税の調達が困難になっていることを報じ始めています。国債や地方債の発行残高が急増する中で、国からの支援を裏付ける地方交付税の調達が国の財布だけでは間に合わなくなっているという。地方での事業は国が保証する起債発行を前提として事業化が進められ、事業推進を進めるために、国も地方交付税での裏負担を約束する構図が日常化していることが、地方交付税の資金調達を難しくしています。今後、国の資金頼りは難しいと思ってはいても、市民サービスを進める自治体にとって地方債は止められない麻薬のような物になっているのでしょう。

 

2000年2月8日

■「都営住宅・1000戸をバリアフリーに」(2000.2.8 日経)

 来年度予算案での復活内容に加わったメニューの一つで、エレベーター設置や住戸のバリアフリー化への事業費を確保したというニュースです。東京都ではスーパーリフォームという大規模改善工事を進めており、その一環としての継続予算です。大都市の住宅ストックを推進する筆頭に立つべき東京都が、自らの住宅ストックの改善に対して『復活予算』としてしかバリアふりー化が出てこないのは、いささか問題であるように思います。

 

2000年2月7日

■「少子化と日本経済・新たな活力の創造へ」(2000.2.7〜 日経)

 日経の社会経済紙面の「基礎コース」で『少子化』を取り上げています。少子化が経済にどのように影響するかという問題提起で始まりますが、住宅に対しても少子化は大きな影響を与えます。とりわけ世帯形態が変容する要素を持っていますし、住宅のニーズそのものが大きく変化することも考えられます。

 住まいのニーズは大きな波のように動きますので、一つのうねりが住宅需要動向を左右することになることにもなり、目を離せない情報です。

 

2000年2月6日

■「公営住宅での保証人考えて」(2000.2.6 朝日)

 朝日新聞の読者欄にあった投書で、公営住宅に入居するための保証人のあり方に疑問を呈した意見が出ています。高齢者や経済弱者は多くの場合保証人を有していない人も多いので、結局、入居できない人が現れます。こうした問題に対する問題提起をしています。

 

2000年2月4日

■「賃貸住宅市場・定期借家権で活性化?」(2000.2.4 日経)

 「定期借家権制度」の経済効果を『全面広告』として日経新聞の第二部として特集した「賃貸住宅広告特集(「定期借家権」創設で実現する豊かな暮らし)」が組まれています。全体を定期借家権容認派や推進派の記述になっているのですが、制度の役割を認識するのには有効な資料になると思います。

 

2000年2月3日

■「長く住みたいに黄色信号」(2000.2.3日経)

 「定期借家権制度」に対する問題ありとの視点からの記述で、家主側の横暴に対する対応をサポートしている特集記事です。契約を切り替えるとき、あるいは初めて契約を取り交わす時の注意点や賃貸住宅の制度の特質などを解説しています。

 

2000年2月1日

■「都営住宅の家賃免除・高齢者など一部存続」(2000.2.1 朝日)

 都営住宅の家賃免除制度を原則廃止する方針を打ち出している東京都が、特に収入の少ない高齢者など対象を狭めて免除を存続させることを決めたというニュースである。しかし、筆者の思うのは、高齢者については収入のみならず資産へも眼を向けた評価が必要で、日本の資産の60パーセントを保有する世代であることを前提にすると試算評価は福祉的な家賃免除には欠かせない評価だと考えます。

 

2000年1月28日

■「気ままに賃貸」へ追い風?(2000.1.28 日経)

 「生活スタイルで物件選び」というタイトルで定期借家制度が紹介されている。『オーダーメード借家』『家賃割安契約の可能性』『気軽に賃貸住宅運営』など、賃貸住宅の新しい制度による可能性について解説している。

 

2000年1月24日

■「賃貸住宅市場・定期借家権で活性化?」(2000.1.24 日経)

 「定期借家権制度」が3月1日に施行されることを受けて、新制度に対する期待と不安が話題になっています。従来の賃貸住宅契約は継続居住が守られているのに、定期借家制度は期限切れに対して有無を言わさないで退去させられることから、高齢者など居住弱者に対して問題だとする意見や、居座りを決め込んでいる入居者により建替が進まない現状を改善する制度だとの声も聞こえます。しかし、制度は共存を前提として運用されますので、どちらにしても余り大きな変化は無いようにも思えます。

 今後は、良識を持って制度をうまく活用することの方が得策かなと考えます。

 

2000年1月19日

■「住宅公庫融資45%減」(2000.1.19 日経)

 「個人向け金利上げで」これまでの景気浮揚策に最低金利と税控除などが購買意欲を駆り立てていた環境が後退して、住宅所有意欲が損なわれた格好になっているようです。マンション需要が一服し、低迷し始めました。

 

2000年1月14日

■「都営住宅<全額免除>廃止へ」(2000.1.12 日経)

 「4万戸対象、経過措置も」日経新聞の1面に大きく掲載されたニュースソース。

 家賃減免制度の変更で、全額免除を無くしたというニュースです。何となく、美濃部都知事から鈴木知事に代わったときに、動物園などの入場料が高くなったり有料になったりしたことを思い出します。

 理由は、財政事情が一番で、加えて高齢化による所得の低下が対象戸数を増加していることを理由としています。家賃の全額免除を廃止するよりも、入居者の金融資産も含めてチェックすることも大切ではないでしょうか。国の制度以上の運営努力をお願いしたいと思います。

 

2000年1月13日

■「都民住宅、民間主導で整備」(2000.1.13 日経・首都圏経済)

 「来年度 公社方式見直し・戸数も4割削減」財政事情の影響は多様な展開を見せていますが、都営住宅の新規着工取りやめに続いて、都民住宅の公社供給も取りやめたことになります。今後は、民間の土地所有者が建設する都民住宅(特定優良賃貸住宅)に建設費補助と家賃補助を提供する形になるということです。

 これは、既成市街地の再生事業などにはあまり困らないですが、ニュータウン開発などでの公的賃貸住宅整備には歯止めがかかってしまいます。このあたりの次の一手が欲しいところです。

 

2000年1月12日

■「都、保証人探し支援へ」(2000.1.12 日経)

 「高齢者の賃貸住宅確保」「2001年度から公的機関を紹介」「緊急時の財産処分対応」

 都市によっても違いますが、賃貸住宅に住む単身高齢者の30〜40パーセントが身よりのない高齢者で、大概は保証人が立てられないで公営住宅に入れないことが社会問題化しています。昨年9月2日付けの毎日新聞で取り上げられた「ひとりで生きる・支え合う社会へ」では連帯保証人の問題を取り上げ、連帯保証人なしでも公営住宅に入居できるような対応が必要なことを説いていました。

 そんなことに反応したのか、東京都は2001年度から公的機関などが身元を保証する支援制度を創設するという。これは筆者の主観的な感想ですが、高齢者にとっては今が大切なので、年度にこだわらずに前倒しで出来ないんでしょうか。でも、前向きに進んでいることは歓迎したいと思います。

 

2000年1月8日

■「都営住宅新規着工見送り正式決定」(2000.1.8日経)

 財政危機の中、とうとう東京都が都営住宅の新規着工を取りやめる事態に発展しました。つまり、これまでニュータウン開発の先鋒を都営住宅が推進していたのに、それを取りやめる宣言をしたことになります。

 当初は建替も停止する勢いともとれたのですが、すでに始まっている建替は止められないのでしょう。今後、国の住宅対策を始め、他に影響を及ぼすと考えられます。

 

1999年12月16日

■「高齢者宅 安否を自動確認 アートデータ家電使用など感知」(1999.12.16日経)

 高齢者の安否の確認に家電製品を利用した超安価なシステムが登場した。これまでのシステムは異常に高額で採用しにくかったのだが、センサーと送受信機が5万円程度ときわめてチープですむところが画期的。来年1月からの販売だそうだが、今後の展開が気になる商品です。

 

1999年12月10日

■「定期借家法が成立 来年3月施行」(1999.12.10朝日)

 定期借家法が12月9日に成立しました。いろいろな立場で賛成反対の議論はありますが、公的賃貸住宅政策を進める上では有効な法制度だと考えています。定期借地権が土地の利用権を明確にして、つくば方式による住宅供給や地価を繁栄しにくい住宅供給が始まったように、定期借家権も計画的な建替や長期建物利用の可能性などを導き出すことに繋がると考えています。

 新しい法制度の始まりは新たな可能性を生みます。戦後の住宅不足時代ではない住宅余剰時代にふさわしい住宅政策を展開しようではありませんか。

 

1999年12月6日

■「値上げへの不満 改装でかわせば・・・」(1999.12.6朝日)

 「公団、126団地で実施 畳→フローリングなど」時代遅れになった住戸を改装することは家主にとって当然すべき行為で、資産を有効に長期に活用することは当たり前のことのようです。たまたま?実施しないで来ただけのことでしょう。新聞報道のように値上げの不満を解消することは既存入居者には出来ませんから、結局、空き家募集に対応することになります。

 1戸中りの改装費は300万円だそうで、償却期間を25年とすると年間12万ですみます。家賃がその分月中り1万円上がったとしても、現代版仕様での生活ができればうれいしいものです。公団賃貸住宅の問題は家賃の固定制にあったのですから市場家賃導入により、経営意識を育ててもらいたいと思います。それに加えて、居住福祉は公団だけの問題ではなく、民間賃貸住宅も持ち家も含めて、全般的な問題ですので、家賃補助やローンの支援施策などで対応することになるのが自然なのでしょう。

 

1999年12月1日

■「痴呆のお年寄りの介護方法 広がる『ユニットケア』」(1999.12.1日経)

 「小グループで家庭的に」が決め手の痴呆性高齢者介護の方法。介護保険制度でも位置づけられたグループホームを新設したり増設するよりも勘弁にケアを広げたいとする施設で、既存施設を生かした小グループでのケアサービスが生まれています。

 実際、介護保険制度のもとで施設を運営する場合、グループホームとして運営するには施設内容や基準をクリアーするなどの必要性が生じてきます。実利的には「報酬単価が低く運営が容易でもない」という声さえ聞こえるようで、より現実的な柔軟な対応でケアしたいとする運用側の意向や利用者そのものが段階的に仕分けできる身体状況でもないため、制度に適合しなくなる状況を排除するためにも柔軟な『ユニットケア』の試みは重要であろう。こうした柔軟な施設も公営住宅に取り入れられることが望まれます。

 

1999年11月29日

■「マンションのトラブル防止 建設省、管理業者を指導」(1999.11.29日経)

 「預託金・保全措置の有無明記」「修繕積立金・口座、理事長名義に」「業界、対応急ぐ・情報開示拡充や料金体系見直し・大手の寡占化加速も」

 常識を逸したトラブルが発生している状況に業を煮やした国がマンション管理対策を仕掛け始めることはすでに発表されていましたが、新聞発表はセンセーショナルな方法で始まりました。本来、入居者が管理すべきものですが、自己責任の時代であることを痛感させられるニュースです。

 手前ごとですが、関わっているNPOで住宅管理支援事業を始めました。あくまでも、自主管理をサポートする役割で進めています。どこまで行ってもあなた任せは危ないものです。

 

1999年11月26日

■「都来年度予算・聖域なき見直しの行方(中)」(1999.11.26日経首都圏)

 「公共事業、新規着工手控え・維持管理費など考慮し圧縮・既存施設の有効利用課題」

 都の財政事情からすると、公営住宅の新築切り捨ては見えていた結果でもありますので驚きはしないのですが、「中古だから価値が落ちるというのはどうか。欧米ではリフォームした住宅が新築時より高く取り引きされることがある」というコメントは、現在進めている昭和40年代の4階建てや5階建ての片廊下型の中層耐火住宅でのスーパーリフォームを指しての言葉。

 スーパーリフォームできないでこもっている住宅に階段型の中層耐火住宅や2階建て長屋形式の簡二住宅があり、とりわけ簡二住宅は高齢化にも若者にも好かれない状況があります。添付された写真もその簡二住宅で、スーパーリフォームが効く住宅以外に建替しか選択肢のない住宅もあることをお忘れなく。よろしくお願いします。

 

1999年11月25日

■「親子が近くに暮らす安心」(1999.11.25日経首都圏)

 「公共住宅セット入居・都が来月に試験募集」限られたエリアで、子供世帯用の都民住宅(特定優良賃貸住宅)と親世帯用の公営住宅との隣居近居を誘導するようです。これは、東京都住宅政策審議会答申の「居住者の高齢化に伴う都営住宅の管理のあり方について」に明記された具体的な施策の展開の一つですが、計画を実行に移している点では評価できますが、実際上のニーズに疑問が残ります。

 所詮、きわめて少ない公営住宅と特定優良賃貸住宅の組み合わせに対して、地域での永住を希望する高齢者世帯と職場の所在地に制限を受ける子供世帯をあえて都民住宅に住まわせると言うこと自体、余り一般化しない考え方であるように思えます。おそらく、既存の都営住宅で親との同居があって、公営住宅法の改正により家賃が上がり特定優良賃貸住宅への移住に迫られている世帯については、単身高齢者の親を公営住宅に住まわせ、自分たちは都民住宅に移るというケースは考えられるのですが・・・。

 いずれにしろ、東京都が何かをしようとしている努力は認めるにしても、結局、公的賃貸住宅の枠の中のこと、ドイツのように民間賃貸住宅であっても家賃補助をして住宅手当が幅広く展開されていると近居隣居も容易に展開できると思えるのですが・・・。

 

1999年11月6日

■「障害者は公営住宅ダメ」(1999.11.6朝日)

 「欠格条項・入居の壁に」「自治体で判断に差/改正の動き鈍く」とのタイトル。久しぶりに公営住宅関係のニュースが飛び込んできました。24時間介助者を雇って生活する重度の障害単身世帯に対する公営住宅の門が自治体の判断により異なることを言っており、なんともやるせない面もちです。これは、今後の高齢者への対応にも及び、在宅介護で死ぬまで住み続けたいとする高齢者にも門戸を広げないと言う結果にもなります。

 公営住宅に入れないので民間のアパートに入らざるを得ない、というのは公営住宅の主旨と離れているのではないでしょうか。今後、国民的議論を重ねることが大切だと思います。

 

1999年10月20日

■「住宅各社、アパート事業強化」(1999.10.20日経)

 こと、住宅に関するニュースの少ない中で、今秋の臨時国会審議で登場する予定の定期借家権法案の成立を前提に住宅メーカーが手ぐすねを引いている様子が報道されています。「いったん入居したら出てくれない」ので、大きな住宅は供給できなかった地主側の理由が定期借家権導入で一挙に解禁方向に動き、アパート需要に拍車がかかるというもので、2DKまでの小規模アパートから3DK以上のファミリー向け賃貸住宅へのアパートに対する需要が増大するという論理。

 日本の賃貸住宅レベルが低いことはさんざん言われてきていますから、需要はあるように思えるのですが、私の見解は少し違っていまして、おそらく定期借家権が成立しても地権者のアパート経営ニーズは住戸規模の拡大にはつながらないと思っています。なぜならば、家賃も相応に上がってしまい、持ち家取得の割賦金とそれほど違わなくなりそうだからです。

 大きい賃貸住宅に住みたいと思うのは子育て世帯が多く、こうした世帯は環境を重視しますから持ち家団地のなかで生活したいと考えるのは自然です。ですからむしろ、よりグレードの高い分譲住宅が増え、余剰の住宅を賃貸する1戸単位の借家が急増してくると思います。ということは賃貸用の持ち家取得が増加して、仲買業務が繁栄するのでしょうか・・・。

 

1999年10月7日

■「公団分譲1670戸塩漬け・5年近く放置の物件も」(1999.10.7朝日夕刊)

10月1日から住宅・都市整備公団が都市基盤整備公団となり、住宅分譲から撤退することになったのだが、報道管制が解けたのか早速前組織の問題部分が報道されました。公団法の分譲枠が大都市圏に限られていることから夕刊に掲載されたのでしょうが、まさにバブルの付け、決めたことを止められないお役所仕事の付けが出た形になりました。良質な住宅を提供して来た歴史は尊重したいのですが、最近は民間も良質(売れ線は免れないが) ?なマンションを供給し始めたし、基盤整備さえしっかりさせ、土地利用や建物利用を誘導することが出来れば、あとは民間にまかせてもいいように思います。

とはいえ、平成10年の住宅・土地統計調査でも明らかになったように、このような新築空き家は急増しています。「賃貸又は売却用の住宅」として空き家となっている住宅は空き家総数を相当上げてしまいました。空き家全体の中で「賃貸又は売却用の住宅」の占める割合は全国ベースでは平成5年の58.5パーセントから61.1パーセントに2.6ポイント上昇しています。不況の影響で建築中の住宅は6割近くに減少したのに、在庫だけが残っている状況です。

今後、子育て世帯が減少すると郊外の集合住宅はなおさら人気のない住宅となり、ますます空き家の増えることも予想されます。そろそろ、このようなストックをうまく使っていく技術が問われるようになりそうです。

 

1999年10月1日

■「地域と交流、普通の生活」(1999.10.1日経)

 「障害者・高齢者・幼児を共に」「広がる「富山型」ディサービス」

障害者も幼児も高齢者と一緒にケアする富山方式の紹介で、普通の生活を地域に根ざしてサポートするには当然行き着く所だと思います。地域の中で、地域に守られて生活することが必然ですし安心できることでしょう。大規模施設の時代はとうに終わり、専用型も管理者ニードで生まれたものです。とすればまさにソーシャルミックスのサポート体制といえるのではないでしょうか。

 

1999年9月27日

■「財産管理 老いても安心」(1999.9.27朝日)

 単身高齢者などの財産や資産を守る後見制度が議論されていることを報じている記事ですが、その中に「65歳以上世帯主 貯蓄平均2300万円」の囲みがあります。総務庁統計局の調査での数字ですが、65歳以上が世帯主の貯蓄高が2300万円で、その1/4は3000万円を超える高額貯蓄世帯で、他の資料でも世帯主年齢が上がるにつれて貯蓄額が上昇する現象が現れています。子育ても終わり、老後の蓄えをと積み立ててきた結果でしょうが、それにとても生活不安が高齢者の貯蓄額を引き延ばす大きな力になっていることを感じざるを得ません。

 以前、ノンフィクション作家・沖藤典子さんの講演会で聞いたデンマークの高齢者の言葉「貯金が130万円で、それで何の心配もない。」という社会的背景に、日本との違いを思い知らされたのですが、何とも複雑な気持ちです。いつも言っていることなのですが、『高齢者に安心して生活できる環境を整えることで高齢者の資産を消費に回してもらい、日本の景気は良くなるのです。』と言っている立場からすると、まだまだ日本は高齢社会途上国だなと痛感させられてしますニュースでした。

 

1999年9月21日

■「【論断】保育に本当の「自由化」を」(1999.9.21朝日)

 待機児が多い現実に対応した保育事業への民間起業参入容認の厚生省の方針に対した意見論文で、内容は、厚生省の緩和よりも一歩前進した提案をしています。認可保育園をベースにした補助制度を民間企業などを取り込んで拡大するのではなく、利用者そのものに補助を与えるシステムにすると、認可不認可を問わず利用者のニーズに対応して利用できるようにすべきだとしています。「機関補助」から「個人補助」に切り替えることが必要だとしていますが、住宅政策についてもほぼ同様なことが言えるでしょう。

 保育支援も居住支援も一定の水準を確保した保育施設(ハードとソフト)や住宅を認定して、それらを利用する利用者が選択するシステムであれば、各々が競争原理の中で切磋琢磨し向上することが可能です。公営住宅については法改正により民間の賃貸住宅利用が可能になりました。これを機に、既存の直接供給の公営住宅と民間の公営住宅との競合が始まります。さらに、民間の賃貸住宅の幅を広げアメリカのバウチャー制度のように利用者が選別できるようになれば、借家の質の向上も急速に進むと考えられます。

 

1999年9月17日

■「建替政策の貧困さ」(1999.9.17日経)

 「満足できる社会・生活直結産業の夜明け」シリーズで掲載されている日本経済新聞のコラムですが、今日から「住宅政策」の連載が始まりました。最初の今日はリモデリング(模様替え)で、古い建物をうまく使うことを説いています。「スクラップ・アンド・ビルト」が標語であった日本の住宅産業に、「リフォーム・アンド・グッドライフ」という生活志向をベースにした節約型の生活をテーマにした住宅政策の流れが来ていることを解説しようとしています。

 公的賃貸住宅の整備にもリフォームの流れが来ています。8月18日のニュースにも建設省の来年度からの公営住宅大改造への補助制度の新設が報じられています。時代は徐々にものを大切にする時代に移っています。バブルの大消費時代の反動としての動きではなく、高齢化少子化、並びに地球資源の保全、環境保護という視点の中で確実に必要とされる流れだと思います。

 

1999年9月15日

■「お達者世代、海外へ続々」(1999.9.15朝日)

 60歳以上高齢者の半分が海外旅行に行っていると答えています。好景気の時に退職した高齢者はお金を持っているようです。貯蓄率についても相当高く、老後の不安が無ければ財布の紐もゆるむ人たちです。

 最近の傾向として、公営住宅の入居者に高齢者が増える傾向があります。国勢調査などでも公営住宅の入居数が10年間で倍増しています。高齢者は一般に所得が少ないですから、殆どが公営住宅の入居基準に入ります。居住資産以外の貯蓄や不動産は入居に際して妨げにならないので、所得さえ低ければ公営住宅の門戸は開かれています。

 とりわけ公営住宅法の改正で収入に対応した家賃制度になったことで、高齢者にはさらに住み良い条件になったので、今後とも高齢者の入居が続くと思います。この状況が続くと若い人も住みにくくなり、公営住宅は高齢者ばかりになることが予想されます。コミュニティもうまくいかなくなり、公営住宅は乳母捨て山的な環境にもなりかねません。これは、公営住宅制度の矛盾で、改めなければなりません。

 公営住宅が福祉住宅であるという立場を最近国はしています。住宅困窮世帯に居住支援をすることを前提にするならば、貯蓄を含めて評価して入居を制限することが必要になります。生活保護世帯がそうであるように、保険や貯蓄、他の資産などを評価して入居を決定することが必要になりますし、入居中においても貯蓄などの評価が必要になります。

 

1999年9月6日

■「老朽化進むニュータウン・再生の道のり険しく」(1999.9.6日経)

 ニュータウンの初期の建物の更新時期が始まっています。しかし、分譲住宅では建替の合意が難しく、多難な状況があり、建替など抜本的な解決を選び進めている団地もありますが、殆どは再生のめどが立たない状況です。1960年代に建設され30年以上が経過した建物は老朽化もさることながら設備の陳腐化や住戸面積の狭さで、現代の居住ニーズに対応しない建物になっています。建て増しや全面的な改修にしても莫大な費用がかかるのですから、一躍、建替で増床することで費用を捻出しようと考えます。

 しかし、現実的には区分所有法に対応した合意が難しく、建替までには時間がかかります。そのうち、増床したマンションも売れない時代がやってきそうですし、すこし建替賛成派は焦りはじめているようです。老朽化したマンションを建て替えによって再生することが必要な地域あるいは建物と、現状を改善しつつ長く利用する地域や建物があるという観点での判断が必要な時期に差し掛かっているようです。

 

1999年9月1日

■「ケアサービス付き賃貸住宅・札幌や関東で展開」(1999.9.1日経)

 介護サービス大手のジャパンケアサービスがケア付き賃貸住宅を介護保険の導入にあわせて展開することを進めています。地主からの借上や社員寮などの再利用を有効に生かして、家賃プラス介護をセットで販売しようとするものです。第一号として建設中の住宅の場合、家賃と基本サービス料の合計は月12万5千円で、家庭の事情によって自宅で在宅サービスを受けにくい高齢者を対象に計画を進めています。

 これはまさに高齢者向け優良賃貸住宅に対して在宅サービスがセットされたようなもので、こうした民間の事業が進むことによって高齢者の居住の多様性も生まれ、介護サービスの効率化や普及にも貢献するものとなるでしょう。民間が積極的に展開してくれることに対して公的にも支援が可能な部分でもあるでしょう。

 

1999年8月30日

■「PFI促進へ負担軽減策(公有地を無償提供・運輸省方針)」(1999.8.30日経)
■「PFI元年・民間活力の期待」(1999.8.30日経)

 PFI を普及させようと言う動きは経済企画庁を中心に厚生省、農林水産省、通商産業省、運輸省、郵政省、建設省、自治省などが参画して推進していますが、事業の推進に対する土地の取り扱いがポイントになります。日本の地価事情では土地を市場で借地してまでも採算の合う事業は考えられないからです。そこで、運輸省は土地の無償提供や低料金での借地を前提にして、さらに無利子の融資をする体制を加えて事業化を誘導しようとする方向を打ち出しました。

 これは公営住宅事業など公的住宅事業にも適応でき、民間の法人や住民からなる事業法人、さらにはNPOなどで公的住宅を整備するよりどころとなるとかんがえられます。従って、建設省が既存公営住宅用地の無償提供などの方針を打ち出すのも時間の問題だと思います。すでに欧米では普通のことなのですから・・・。 

 

1999年8月27日

■「住民基本台帳人口調査」(1999.8.27朝日日経)
 「増加率0.23%止まり(過去2番目低水準に)」「人口三大都市圏に49%」「東京圏への集中鮮明」「12県は自然減」「地方中核都市は一服」「町村の7割で減少」。地方部での人口減少は必然的に住宅余剰につながります。とりわけ町村部や地方都市の郊外では空き家の発生が実質的に多くなっているようです。特に公営住宅に至っては顕著で、ニーズの低下した中での建替もままならず、住み続けている高齢者が残されているようです。今後、人口減少期に入りますので、世帯分離や利便性を求めての都市集中は続くとかんがえられますから、何らかの対応が必要です。

■「目指すは地方UターンIターン」(1999.8.27朝日夕刊)
■「生き方探して(サラリーマン)」(1999.8.27日経) 

 一方、地方生活を求める人が顕著になってきています。地方に職を求めて永住する動きが目立ってきていて、地方に居を求めて家族で住み替えるケースが増えています。この場合は、持ち家を持つことを前提としていますので、公営住宅にはニーズは生まれません。地方都市の郊外部でニーズの無くなった団地をこうした地方転入世帯に提供することも地方振興の一つだと思います。

 

1999年8月25、26日

■「住宅公庫融資 建設省が抜本改革案」(1999.8.25朝日8.26日経)
 ローン地獄に追いやった「ゆとり償還」の廃止や木造の35年返済の開始などの公庫融資の基本的な改革案です。住宅メーカーも最低限の金融公庫仕様を守る時代ではなく、公庫基準よりも良いものを提供する時代になっていますし、購入者の収入も右肩上がりを前提にできない時代に入っています。そんな時代に合わせた改革?なのです。

 

1999年8月23日

■「NPO 400団体超が法人格取得」(1999.8.23日経)
 日本経済新聞社が調査してた結果の続報で、NPO取得の目的として9割が「信用を増す」ことをあげているのですが、実態としては「会計報告や総会開催など事務処理の負担増大」への懸念がトップにあげられているように、公明正大にすることが負担感を生んでいるという矛盾があるようです。

 法人ならば当然のように会計報告が必要ですし、日常的な業務の一つです。それが負担になるということは、収入がおぼつかないことが裏返しにあると考えられます。NPOはボランティアではありません。むしろコンサルタントや弁護士、建築士、医師、税理士など、人と人の間に入って仲介をする人や儲けることが手抜きにつながる職業がそれに当たると考えられます。今はやりのアウトソーシングもNPOですから公共の仕事を請け負うことも重要な役割になると思います。それには公営住宅の管理も範疇に入ってくるでしょう。

 

1999年8月18日

■「老朽化した公営住宅・全面改装を支援」(1999.8.18日経)
 東京都の「スーパーリフォーム」に刺激されてか、国が来年度から大改造に1/2補助を出すことになった。古いものを壊す時代ではなく、使えるものは使いたいという時代に移ってきているようです。 高齢少子化の中、あるものを長く活用することは大切で、持続可能な社会を目指すためにも必要なことです。しかし、地方自治体はリストラを要請されて財政的にも逼迫しています。そんな中で、リフォームすら進まないような不安が拭えません。

 とはいえ、時代はあるものをうまく使う時代になりました。低所得者に対する住宅を公営住宅として整備した日本では各自治体が公営住宅の資産を持っています。これらを有効に活用することも住宅施策としては重要になります。

 

1999年8月14日

■「NPO法人:保健・福祉分野が2/3」(1999.8.14日経)
 NPOの法人の活動実態を日本経済新聞社が調査してた結果が発表されています。活動の中心は「保健・医療・福祉」で60パーセント以上の法人が関わっており、ついで「子供の健康育成」「まちづくり」「他団体の運営、活動に対する連絡、助言、援助」そして「社会教育」の順になっています。住まいに関することで言えば「まちづくり」が対象になるのですが、悩みも多くあることを伺わせます。

 アメリカでは公的賃貸住宅の殆どをNPOが提供する形で、住宅づくりにも積極的NPOの登場が欲しいのですがまだまだのようです。こんな中でakimoto.comでも『持続可能な団地づくり』を進めています。遅々として進まないのですが10年がかりで取り組んでいこうと思っています。

 

1999年8月13日

■「中古住宅の質向上促す」(1999.8.13日経)
 「建設省が重点施策・踏切渋滞解消も盛る」予算取りに向けての政策ではありますが、今後の国の動きを見極めることができます。特に住宅関係では中古住宅の市場性を高める政策を推進するようです。

 戦後の住宅不足を個人の力に依存した持ち家政策の結果、平均寿命が25年などというありがたくない結果を残しています。個人の財力に限りがあることからこれまでは質の向上までには至らなかったのですが、今後は良質な住宅にするためのメンテナンスやリフォームによりストックを生かした質の向上を目指そうとするものです。住宅余剰が1割を越えた現在、良質なストックを多くする時代に入ってきたと思います。

 

1999年8月12日

■「バリアフリー100億円超補助」(1999.8.12朝日)
 「運輸省要求へ・バス・路面電車・船も乗りやすく」

先進諸国に追いつけとばかりに予算措置を急ぐように思えてしまうのですが、公共交通機関のバリアフリーへの方向転換が始まっているようです。来年度予算に要求するバリアフリー予算は大幅に増額して要求するとのこと。高齢化に向けて急ピッチで進めようとする意欲は大切ですが、少し乗り遅れた感がするのは筆者だけなのでしょうか。

数年前から、 akimoto.comの気まま考ではヨーロッパのバリアフリーを取り上げて、既存の交通機関の矛盾などをコメントしているのですが、ここでは、エレベーターなどの設備設置は当然としても、交通機関の乗降システム、あるいは乗客管理システムに提案を重ねています。具体的にはドイツ国鉄や地下鉄の改札システムの例を挙げて、改札口をなくすことによる波及効果も掲載しています。

 

8月11日

■「戸建て建築の動機「低金利」が4割超」(1999.8.11日経)
 リクルートの調査で「今、戸建てをたてるのは低金利だから」と答えた世帯が41.2パーセントで前年調査から14.4ポイントも上昇したということです。低金利が住宅ブームに火をつけ、公庫金利の上昇が進んできた現在は下火になってきたことも低金利の仕業だったことがはっきりしたのです。

 ドイツには公的賃貸住宅を建設する資金に対して100年ローン、無利息の融資があります。公営住宅を直接供給する代わりに民間で良質な住宅を確保しようとする目的で国費を投入しているのですが、60年代に住宅整備は完了したと言われるくらい充実しています。日本も思い切って金利誘導の住宅政策を転換することも視野に入れれば。有効な住宅施策となるのではないかと思います。

 

1999年8月10日

■「民間賃貸住宅・高齢者支援型を拡充」(1999.8.10日経)
 「生活援助員を派遣」「建設・厚生省 来年度6000戸以上」を整備するという。方法としては高齢者向け優良賃貸住宅に生活援助員を派遣しようとするもので、派遣型のシルバーハウジングと同様のシステムの中で在宅居住支援を拡充しようとするものです。

 来年度からの介護保健法導入の影響で既存特別養護老人ホームから退去を余儀なくされる高齢者の受け入れ策としても緊急性があるものとして考えているようですが、高齢単身世帯の約3割が子供などの親族のいない世帯で、安否確認などの生活援助を支援してくれる生活援助員の存在は大きいと思います。

 

1999年8月7、8日

■「耐震基準強化で弱体化」(1999.8.7朝日夕刊)
 「柱・梁接合部に亀裂」「現行の耐震基準でつくられた鉄筋コンクリートのビルは、地震の際、柱と梁の接合部がひび割れて壊れる「剪断破壊」が起きやすいことが・・・・わかった。」ということです。

 地震災害が発生するたびに構造基準が変更され、規制が加えられるのが日本の構造基準で、阪神大震災調査での結果、新たな基準の変更もあると思われています。新聞報道によると基準の改正には及ばないものの構造設計上の配慮の啓発を必要としているとしていますが、やはり完璧なものができないことを露呈した結果になっています。

 今回の震災により、全国の公共建物の地震対策が検討され、多くの費用を費やして耐震診断を行いました。当然のように1981年の新耐震基準適応以前の建物は耐震基準不的確となり、耐震補強の必要性が問われるようになりました。人の心理として不的確と診断されたとたんに、「その建物は使えない」とした短兵急の結論を意識してしまいがちですが、実際は新基準時代が問題を含んでいる基準であるわけですから、余り診断に神経質になる必要はないと思います。

 むしろ、これを機会に構造を補強しつつより使いやすい建物に改造することを進めてはいかがでしょう。「怪我の功名」「案ずるより生むがやすし」です。

 

1999年8月3〜日

■「変革のサポーター NPO」(1999.8.3〜朝日)
 「夢の実現へ自ら起業」「ボランティアから始まった」「行政との新しい関係探る」「自立は資金・人材集めから」と続いています。新しい社会活動の形が次第に浸透していく様子が見えてきます。

 欧米での低所得層への住宅支援はNPOが主流です。とれわけアメリカ社会では住宅支援組織としてのNPOの力は相当なもののようです。そろそろ日本も収益主義から脱却した充足主義に目を向けた民活が可能な社会になりつつあると感じます。

 

1999年8月4日

■「駆け込み出産」(1999.8.4日経)
 「AGE35を越えて」とりわけ女性の出産適齢期を過ぎてくると出産願望が沸々と沸いてくるようです。人間も動物ですし自然の摂理の中で生きる生態系の一つなのですから、いくら知的にコントロールしても本能的に出産願望が生まれるのでしょう。少子化に憂う日本の現状からすると望ましいことで、夫婦を単位とした核世帯ではなく、母を中心とした核世帯が生まれつつあることを物語っています。

 岩波新書に「フランスの家族事情」浅野素女著があります。日本の将来を占っているようにも思います。公的賃貸住宅を考える上でもポイントになりそうです。

 

1999年8月4日

■「衰退神話に挑む」(1999.8.4日経)
 「エルダー経済日本」として連載が続いています。日本の純金融資産の82パーセントを保有する50代以降の年齢層は、今後の高齢社会の重荷になるとも言われていますが、逆に内需を喚起する起爆剤にもなる世代なのです。とりわけ、60代以上の高齢者はオイルショック前に資産を構築した世代で、年功序列の有利な所得と豊かな年金収入のあった世代で、高齢化に対する不安心理を無くすることで、ストックしている金融資産を放出する世代でもあります。

 こうした世代が安心して居住できる社会体制を作ることが現在の経済停滞から脱出する手段でもあると考えるのはあながち的を得ていないとは言えないと思います。

 

1999年8月3日

■「便利屋タクシーただいま快走」(1999.8.3日経)
 不況からの脱出策として、高齢者への介護サービスや切符の手配など便利屋的なサービスをタクシー業界が始めています。それも急ピッチで事業者数がのびとりわけここ1年で2倍にものびているようです。

 駅前のタクシーバースに溜まっていたタクシーが本来のドアツードアのサービスを特権として活用し、高齢化や少子化に対応したサービスが生まれることは好ましいことです。しかし、こうした基本的な生活の足は衣食住と同じように生活に欠かせないサービスであり、共有のサービスとしてシステム化することが望まれます。

 

1999年8月1日

■「60歳以上の6割『将来の生活不安』」(1999.8.1日経)
 総務庁が31日に発表した「高齢者の日常生活に関する意識調査」で60歳以上の53.6%が将来に不安を抱き、多用途の「収入の保証」をトップに「介護サービスの体制整備」に続いて「体が不自由になっても生活できる住宅設備」と「高齢者に配慮したまちづくり整備」となり、住宅やまちづくりに対する関心の高さも伺いしれる。質問票自体を確認していないので何とも言えないが、老後を支える環境づくりが欠かせないことは必然で、高齢者の居住を支える環境づくりが重要であることは確かだ。

 また、8月3日から日経で連載が始まった「エルダー経済日本」も見逃せない。

 

1999年7月27日

■「第二回循環型社会セミナー」(1999.7.27日環境新聞社)
  東京の東条会館で開催された「地球環境問題・エネルギー問題解決へ向けた緊急提言」『今すぐに求められる内断熱から外断熱へのコンクリートシティ革命-ドイツ、スウェーデンからの警告』に参加してきました。主催者の話では、反響が大きく予定よりも大幅に参加者を増やし、1500人もの入場者を迎えるため第二会場も用意する程とのことでした。

 北海道ではすでに外断熱が普及してきたのですが、青森県以南では公営住宅の建築様式はワンパターンで、サンルームが付く付かないの差はあるものの、基本的に内断熱か断熱材もない建物が殆ど。一部の寒冷地では中層耐火建ての公営住宅に外断熱を改善施策として行っている場合もありますが、予算の関係で実験的なものに止まり、長続きしないのが現状のようです。結局、暖房による温度差でカビの発生、ダニの発生、アトピー性皮膚炎や小児喘息の発病と連鎖が起こっているようです。

 

1999年7月29日

■「定期借家制に新法案」(1999.7.29日朝日)
  定期借家制度の導入が足踏みしている状況から現実的な施策として推進するために編み出したウルトラDで、議員立法で国会提出する方向になったようです。しかも衆院法務委員会ではなく建設委員会で審議するという。建設委員会と法務委員会はそもそもその趣旨やメンバーも異なるのですから、本来の法改正の趣旨にあわないし、むしろ建設委員会ではその名が示すとおり、不動産の有効利用的な発想に終始した議論しかできないと考えるのが普通でしょう。

 筆者自身は定期借家の導入を待ち望んでいる立場ですが、筋を通さないやり方には閉口します。

 

1999年7月28日

■取り立ててお知らせするニュースのない日
  公営住宅の総合再生計画がしきりに行われていた時代からおおむね5年程が経過し、公営住宅法の改正によって修正が必要になってくる時期でもあります。半期5年が見直しの周期で、とりわけ法改正前に計画を立てていれば、必要もない数を供給せざるを得ない形になっている場合があります。それは、現状戸数に対する建替倍率が決まっていて、素直に受け止めると大変な戸数になってしまうからです。

 現在では、住宅マスタープランや再生マスタープランにより民間からの借上などを含めた総合的な計画策定を行うことで、現状よりも少なくすることもできるようになりました。古くなって見向きもされない老朽化した公営住宅を残すことはそろそろやめようではありませんか。

 

1999年7月24〜27日

■「お隣以上家族未満」(1999.7.24〜27日朝日)
  住み方の選択が広がってきた。人と人との関係が右か左かの選択肢ではなくて曖昧な部分を残したつきあいも含めた、いわゆるファジーな関係でつくる居住のコミュニティが多様な形で現れています。その関係を、建物を含む集住の形の特徴的なものを4つ紹介していて興味深い。

 公営住宅や特定優良賃貸住宅、そして高齢者向け優良賃貸住宅と公的賃貸住宅には入居者の収入や年齢、家族構成にあわせた住宅補助制度の種類があり、実際的には事務の便利や管理の簡便さから各々が別の建物として建築されるのが一般的です。しかし、コミュニティは本来は混成されるもので、お年寄りも若者も所得の少ない人も多い人も障害者も混在することが望ましいのですが、現実には分離されています。そんな現実を少し打破したいと思います。

 

1999年7月23、24日

■「PFI 推進法成立」(1999.7.23日経夕刊、24日日経、朝日)
  PFI法案が成立しても具体的な事業化が進まなくては意味がないのですが、具体的に事業が進んでいくことが前提になります。

 公的賃貸住宅についても研究が進んでいるようですが、日本の賃貸住宅経営は土地からの収益は前提にしない地主型経営ですから、土地も建物も投資しての経営は難しくなります。しかし、再開発や地権者が事業化する場合で、特定優良賃貸住宅や高齢者向け優良賃貸住宅、あるいは借上公営住宅の供給などはまさに PFIと言えるかもしれません。 PFIについてはコラムもありますのでご覧ください。

 

http://www.akimoto.com/kimama/back.html

1999年7月23日

■「在宅介護サービス提供能力」(1999.7.23日経)
 住友生命総合研究所が発表したデータで、在宅介護力指数の都道府県比較をしたものだが、宮崎1位、東京33位となっています。ベスト5とワースト5を発表しているのですが、どうも高齢化比率と連動しているようです。高齢者の状況は地域によってまちまちです。埼玉県が10パーセント代と最低で、島根県が22パーセントと倍以上です。とりわけ高齢者のいる世帯に占める単身高齢者率は山形県の23パーセントに対して鹿児島県では66パーセントと三倍に近い差があります。高齢化の状況によって在宅介護サービスメニューにも差があるのですから全国一律の比較は意味のないことではないでしょうか。

 

1999年7月22日

■「社説 循環型経済社会を実現するには」(1999.7.22日経)
 通産省の産業構造審議会が発表した「循環型経済システムの構築に向けて」を受けての社説。リサイクルという総称をリデュース(廃棄物の発生抑制)、リユース(製品、部品の再使用)、リサイクル(原材料や熱としての利用)に分け、まず、廃棄物を出さず、中古として利用するか部品を活用します。それも難しい場合は原材料や熱エネルギーとすることを求めています。

 これは公営住宅の建替についても言えます。とりわけ中層耐火住宅の耐用年数は長く、計画的な維持管理により長期の活用が可能です。しかし、時代遅れな設備や狭い住戸を理由に建替を進めるのが一般ですが、東京都が行っているスーパーリフォームのような方法をもっと利用してもいいのかなと思います。循環型経済を取り戻さなければ人類の平和も無いのですから。

 

1999年7月21日

■特別のニュースの無い一日
 最近、アウトソーシングの特集が組まれたり、記事があったりと、業務の外部化が進んでいることが報じられています。確かに小規模な自治体では公営住宅のコンピューター管理を民間に委託したり、修繕の部分を委託することも多いのです。しかし、小規模な自治体であればあるほど人と人の関係は密接で、その事情もわかると思うので、顔の見える行政を進めていただきたいと思います。そのためには管理を外部化する前に業務の能率と効率、さらに専門性の充実を図り、究極のNPOの役割を担ってもらいたいものです。

 

1999年7月20日

■「地方財政危機の構図5」(1999.7.20朝日)
 地方分権法を受けた形で、地方財政のあり方を問うた連載が終わりました。最終日のポイントは「悪循環・健全化への鍵「自立」」で、ドイツ、アメリカ、カナダと比較して地方財政の赤字額の高さをいい、国と地方の財政事情の違いと官僚の財政移譲のかたくなさを言っています。

 しかし、地方自治体では、公営住宅の建設が民間移譲になれば自らの業務も減り、リストラの対象になりかねないことをほのめかす人もいます。どうも国も地方自治体も一蓮托生のような気がするのですがそれは私だけなのでしょうか・・・。

 

1999年7月19日

■「評価分かれる地方分権法」(1999.7.19日経)
 掛川市長の地方分権法評価。市町村長の見識と自立力、市町村議会や市町村職員の自己責任。歴史・風土・特色を生かした土地利用計画と独自のまちづくりのビジョンを持つとしています。その大枠が今回の地方分権法です。

 

1999年7月17日

■「老後に不安85%に急増」(1999.7.17朝日)
 朝日新聞社の世論調査で、今の日本を「安心して老後を迎えられる社会ではない」と感じる人が85%を占めることがわかった。特に生活費、介護、病気が不安の主要原因で、経済が低迷していることも影響しているとしています。関係記事も掲載され、今後の高齢化に伴う新たなニーズの展開を占う基礎資料として有効だと思います。

 

1999年7月16日

■「地方財政危機の構図」(1999.7.16朝日)
 「倒産予備軍膨らむ赤字進まぬ対策」企業からの税収が激減した大都市のみならず交付税に依存する地方の自治体にもバブルのつけは押し寄せています。再建団体に陥った福岡県赤池町を例に挙げながら、地方自治体の財政再建の動きを論じています。今後、シリーズで掲載されます。

 

1999年7月15日

■「自治体サービス各地で削減続く」(1999.7.15朝日)
 朝日新聞社の調査で、地方財政の悪化が市民サービスにまで影響していることが明らかになったというニュースです。

 行政に携わっているとすでに実感としてある事実でしょうが、いざ新聞紙上に出ると、何か問題でもあるかのように思われます。税収が少なくなり住民の所得も減る中で、公共のサービスを求める声は高くなるのですが、無い袖は振れないのが現状でしょう。

 公的賃貸住宅についても、「栃木県 県営住宅の駐車場料値上げ」が掲載されていましたし、全国的に厳しい状況になっているようです。

 

1999年7月14日

■「99年版建設白書」(1999.7.13日経夕刊)
 少子化対策など提案「広大なる過疎化」防止というタイトルで、人口の動きから見た住宅・社会資本がテーマ。人口が増大局面から減少局面に入ったと指摘した上で、今後の課題として

・ゆとり、美しさなど都市集積を通じた魅力づくり

・家族向け住宅の供給や住空間の改善など子供を育てやすい環境整備

リサイクルの推進や地域交流の促進など

移動時間を短縮させることで人口形態を「定住型」から「交流型」に転換すべきとしている。

 

1999年7月13日

■「社説」(1999.7.13朝日)
 朝日新聞社の社説に『グループハウス』が取り上げられています。神戸市灘区の「魚崎北町コレクティブハウス」で高齢者10人からなる共生住宅で、特徴は NPOが中に入り共生を支援する形で、公的な補助も相当ある民間プロジェクトです。

 個人的に高齢者の共生を支援しようという試みが多くあった中でNPOが組織としてバックアップした形態が、今後の高齢者居住を支える試みとして根付くことを期待します。

 

1999年7月12日

■「不動産事業に小口投資」(1999.7.11日経)
 土曜日と日曜日が入って、情報伝達も休日に入ってしまいました。業務の合間に記録をしている関係で、ウイークデー専用のオンステージでご容赦ください。

 昨年ドイツで見つけた集合住宅で、市民ファンドと公的助成住宅を組み入れたファミリー世帯にも解放された民間の非営利団体による高齢者向け住宅がありました。土地は公共の土地で建設費は市民からのファンドと非営利団体からの持ち出し、及び市からの補助などで構成され、入居者は家賃(利用料)を支払うことで、所有権と利用権を分離している先進モデルです。

 日経の特集記事はオフィスビルや大型マンションを債券化して販売するシステムが紹介されており、基本的には家賃と経費との差額に対応した配当が得られる仕組みです。こうしたシステムは公的住宅にも適応でき、公営住宅の借り上げ住宅と絡めたり、高齢者向け優良賃貸住宅や特定優良賃貸住宅との複合的な開発が可能です。

 

1999年7月9日

■「大規模都営団地・建替で福祉施設へ移設」(1999.7.9日経)
 本日のニュースは「省庁改革・分権法が成立」ではあるが、昨日の報告で終えたものとして、今日のニュースはまさに公営住宅の再生に関わる事項。

 都は大規模な都営団地を建て替える際に特別養護老人ホームなどを併設するなどの内容で建て替え指針をまとめるようだ、住民の高齢化に対して対応するための試みで、高齢者ばかりが集まることに対しては公社や公団の協力を仰いで若返りを図るらしい。具体的には5千戸以上の団地の名前が挙がっているが、同じ様な公共事業の繰り返しでは、もう一度、同じ失敗を繰り返すように思えるのですが・・・。

 

1999年7月8日

■「省庁改革・地方分権法案」今日成立(1999.7.8朝日)
 地方分権の第一歩で、十分ではないにしろ、住宅政策のような地域主導の問題解決は地方にゆだねられることが多くなる。公営住宅法の改正や都市計画法の改正準備などの背景を見ても、次第に地方への行政移動が起こり始めている。

 すでに住宅に関する国の政策も地方の独創的な政策を全国的に広めるだけの機関としての役割になりつつあったし、今後は地方同士が情報交換して独自のアイデンティティのある住宅政策を推進することが寛容になる。

 

1999年7月6日

■「老人ホームが自己評価表」(1999.7.6日経夕刊)
 東京都の特別養護老人ホームと老人保健施設が、都配布のサービス内容について自己評価し、講評し始めたというニュースで、「有料老人ホーム実態把握へ」(1999.7.5朝日新聞)とは一線を画して公共性の高い施設から情報公開を始めようという試みは拍手を送りたい。

 それにしても外部からのチェック機構がないのが問題で、 NPOなどの監視体制も必要でしょう。また、都は将来インターネットにホームページを利用した情報公開も検討するとしており、着実に情報公開が進むことを望んでやみません。

 

1999年7月6日

■「経済社会のあるべき姿と経済新生の政策方針」(1999.7.6各紙)
 経済審議会は2010年へ向けての新長期展望を答申した。序章として「戦後の成長を支えてきた近代工業の規範が、90年代以降、人類文明の大きな流れにそぐわなくなった。そのため、本答申では経済構造や経済活動だけではなく、新しい経済社会の根底を成す条件、目標、概念及び価値観についても明確にする。」として「あるべき姿」の目標として「最大自由・最小不満」をキーワードにし、効率・平等・安全の価値観に自由を加えた社会を理念としている。公営住宅を中心として近代工業を支えてきた公的住宅制度も「・・・失敗者や弱者の人権は守られる・・・」とした人権保護以外は自由としている。

 

1999年7月5日

■「有料老人ホーム実態把握へ」(1999.7.5朝日新聞)
 相変わらず老人ホームの広告内容と実態とのギャップが問題視されています。請負形式の高齢者施設の限界で、建築にたとえれば設計者抜きの施工者お任せの頼み方。善意で誠実な業者もいれば手抜きでもうける業者もいるのはどこも同じです。オンブズマン制度の充実や家賃形式の施設整備などが必要でしょう。

 

1999年7月4日

■「少子化に関する世論調査」(1999.7.4 朝日・日経)
 「結婚 負担」朝日。「『子供持とうとは思わぬ』2割」日経。

 総理府が三日発表した初の少子化世論調査結果で、少子化が継続することが確認されます。とりわけ女性の若い世代で結婚に対する考え方と子供を持つことに対する価値観が変化していることが浮き彫りになっています。仕事を持つ女性が増えるのに伴い、介護や育児家事に対する負担は増加し、総じて結婚や子育ては負担の原因になっているようです。

 この状況は今後も継続すると考えられ、ますます小規模世帯が増加し、単身世帯や二人のみの世帯の急増が進み、住まいもまた、新たなニーズを呼び起こすようになりそうです。

 

1999年7月3日

■住宅・土地統計調査結果速報がホームページに登場
 6月28日に総務庁から発表された平成10年10月1日調査の住宅・土地統計調査(平成10年度から住宅統計調査の名称が改められた)の概要と一部の統計表がホームページに登場。アドレスはhttp://www.stat.go.jp/052a.htm

 

1999年7月3日

■支えあう住まいづくりホームページ始まる
 秋元建築研究所では公営住宅を主とする公的住宅施策についての議論と相互理解を目的としたホームページを立ち上げました。アドレスはhttp://www.akimoto.com/public-h/